
1/144 陸上戦艦ラーテG型(Ratte Ausf.G)
1942年6月、ヒトラーがポルシェにマウスの開発を命じたのを受けて同年8月にクルップ社がヒトラーの元に売り込みを計ったのが陸上戦艦ラーテです。ラーテ(Ratte)と言うのは、はつかねずみ(Maus)よりも大型のねずみの事です。要はマウスよりも巨大戦車を作れるぞと言うクルップ社のポルシェに対する当てつけのネーミングです。
ラ−テは総重量1000t、全長35m、幅14m、高さ11m、主砲28cm砲2門、出力16000PSと言う空前絶後のサイズです。
某大佐の「ドイツの科学は世界一ぃ〜」を引用するまでもなく、当時のドイツはある面においては技術が突出しており、上記も実用化きそうな数字でした。なにしろ艦船用の16000PSディーゼルエンジンがすでに量産中、戦艦から下ろして余っていた28cm砲の転用に困ってもいました。重量1000tなら馬力荷重は16ps/tなのでパンターの15.7ps/tを上回る高速戦車(ほんとか?)になりそうなのでラーテ計画はすんなり承認されてしまいます。
列車砲で運用できる28cm砲をわざわざ戦車にする必要性が有ったかと言うと、軍事的には無いと言っても過言ではないでしょう。当時のヨーロッパはすでにかなりの鉄道網が整備されており、重量物を大量、高速に移動させるには鉄道を利用するのがあたり前でした。クルップ社にしてみればラーテ計画は予算獲得のための荒技だったと考えるのが妥当でしょう。
戦艦は長距離から45度の角度で徹甲弾を食らう関係上、天井面と正面が一番厚いのが戦車との大きな違いです。装甲厚は通常200mm程で28cm双連砲塔では400〜600tになります。重心や総重量を考えると陸上戦艦とは言いながら戦艦砲塔の流用は無理そうです。当時はCADなんか無いですから、車体も砲塔も新開発だとすると順当に開発が終わったとしても1946年位にならないと量産に入れないんじゃないでしょうか。
さて量産化できたとしてどう運用するつもりだったんでしょうか。空は飛べないし幅が幅だけに町中を運ぶのは無理そうだし余程コマ切れにしないと鉄道にも載せられる代物ではありません。丸ごと運ぶとすると造船所で作って専用揚陸艦(それも巡洋艦サイズ)で敵地に持って行くのが妥当かと思います。ビスマルク級まで作ったブロムウントフォス社に製造依託に出すくらいが関の山でしょうか。キャタピラが切れたらどうやって交換するのか。泥にスタックしたらどうやって引き上げるのか。エンジンは交換できるのか。同サイズの回収車両(ゲルベラーテ?)が必要になりそうです。 歴史にもしもは禁物ですが、ヒトラーが予定通りバトルオブブリテンを5年間思い留まっていればドイツの経済と科学技術は強固なものとなりラ−テの出現もまんざら不可能でも無かったかもしれません。
ディオラマは本来予定していた1946年にドイツがアシカ作戦を仕掛けた設定にしてます。手前に転がっているのはハリケーンMk18戦闘機で出力向上に伴って2重反転プロペラになってます。随伴車両はWTM(ワールドタンクミュージアム)のティガ−2です。同じスケールでもこの大きさの違いは凶悪と言わざるをえません。ちなみにラ−テ本体は1/35の重戦車サイズになりました。砲塔は暫定でティガ−1(赤虎)を使用しています。なんで使ったか深く詮索しない様に。対空砲塔はクーゲルブリッツを8基、双連88mm砲塔を1基搭載しています。某有名戦車ライターに見せたら大ウケで「いやあ、幸せになりましたよ。こんなバカな大きさになるんだねえ。建物とか飛行機を見ないと一瞬スケール感が判らないよね。ついでだから潰されてペラペラになった敵戦車を置いたらいいんじゃない?」との事でしたのでシャーマンに犠牲になってもらう予定にしてます。モールドは今後さらに追加して量産したいと思います。マーキングはもちろんラ−テにひっかけて第505重戦車大隊の「ねずみの騎士」にしてあります。扱いとしては大隊指揮車にしています。